CMSの世界シェアはどうなってる?CMSの種類とWPの強さも解説
2022年08月25日CMS(Content Management System)はECサイトを有効に運営するのに欠かすことの出来ないホームページを、WEBに関する深い専門知識を必要とすることなく作成・更新・運営ができるシステムです。
誰もがよく耳にするのはWordPressやJoomla、ECサイトに特化したShopifyなどです。
そして、世界中にCMSは800以上あります。
そのCMSを今さらながらのようですが、世界でのシェアや世の中の動きに連動してどうなっているのか、アウトラインをおさらいしてみたいと思います。
CMSの世界シェア
オーストリアのウェブ市場調査会社Q-Success社のW3Techsが世界におけるCMSのシェア統計を日々更新してくれています。
CMSのシェア統計の抜粋(2021年8月現在)
世界中のウェブサイトの中にはCMSを使っていないものが2021年8月現在34.8%あります。
それらを含めて世界全体のウェブサイトを動かすアプリケーションの42.5%をWordPressが占めています。(上記表の灰色部分)
それに続いてShopify3.9%、Joomla1.9%、Squarespace1.7%、Wix1.7%、以下続きます。
CMSのみの世界シェアを見ればWordPressが65.2%
それに続いてShopify6.0%、Joomla3.0%、Squarespace2.6%、Wix2.6%、以下続きます。
それにしても、この比率を見て、断トツの数字を誇るWordPressに続く各社は数%台のシェアしかなく営業を続けることが出来ているのが不思議に思いませんか?
それには世界で動くウェブサイトの数の多さに答えはありました。
※参考:Total number of Websites|Internet Live Stats
ウェブサイトの数は世界の中で日夜増え続けており、19億近い18億代のサイト数が現在存在しています。
開発者、研究者、アナリストの国際的なチームによって運営されているInternet Live Statsという組織が世界における全ウェブサイト数を調査・算出して上記のように公表しています。
このInternet Live Statsは多くの論文やメディアや国連などの国際機関や論文、メディアの資料に引用されるデータを提供しています。
そしてその中に、
There are over 1.5 billion websites on the world wide web today. Of these, less than 200 million are active.
「世界中に15億以上のウェブサイトが存在し、2億以上のウェブサイトは実際に使われている。」と記しています。
この文章の書かれた時期の『15億以上のウェブサイトが存在し』から日夜増加続けているウェブサイトを割出すと2.5億以上のウェブサイトでCMSが使われていることとなります。
仮に2.5億を分母において1%を算出すれば2,500のウェブサイト、1ウェブサイトを1企業として考えれば、2,500社の企業をクライアントとして自社のCMSを稼働させていることとなります。
WordPress以外の各社のシェア比率が一けた台の数%であっても十分なクライアント数となりCMSとしてのビジネスは成り立っているのです。
CMSその世界におけるシェア率の変化
直近10年間のCMSの世界におけるシェア率の変遷を見てみたいと思います。
各社が右肩上がりでそのシェアを伸ばしているのはECサイトの成長と直結しているからです。
加えて、新型コロナウイルスが我々の生活を一新させてしまいました。
それが社会変革とも言える大きな理由の一つとなっています。
CMSの年間シェア一覧
※参考:Market share trends for content management systems|W3Techs
W3Techsがまとめる同表をご覧いただければEC市場が成長してきたこの10年間ほどの間のCMS会社におけるシェアの盛衰がわかります。
あわせて、下表の経済産業省が作成した『BtoC- EC市場規模の経年推移』を合わせてみていただけるとEC市場との連動も納得いただけると思います。
社会変革を起こした新型コロナウイルスは2019年12月武漢で発生、猛威を振るい始め、翌2020年1月23日東京で最初の感染者を出しました。
2020年4月7日に緊急事態宣言が主要都市で発出され、その後全国に広がりました。
日本国中で不要不急の外出を避けるよう要請が出され、それまで見向きもしなかった人々までもがECに目を向けるようになったのです。
2020年、2021年に多くのCMS会社がシェアを広げていることをW3Techsは報告しています。
※参考:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省
国内のEC市場を見ても新型コロナウイルスが蔓延した2020年、特に青色の『物販系分野BtoC‐EC市場規模』が急拡大しています。
ちなみに激減している黄緑色の『サービス分野BtoC- EC市場』とは旅行やチケット販売などのサービス業務のことです。
ことごとくキャンセルとなってしまった分野でした。
デジタル化の波とともにBtoC- EC市場は徐々に拡大してきたのですが、新型コロナウイルスは私たちの生活様式まで変えてしまい、EC市場規模拡大に拍車をかけました。
CMSの種類と特徴
CMS(Content Management System)は三つの種類に分けられます。
ユーザーの使途によって使い分けられます。
オープンソース型CMS
オープンソース型CMSは、プログラムのソースコードが無償で公開されており、商用・非商用を問わずに誰でも利用できる。
例:WordPress、Joomla、Drupal、など
メリット | ライセン ス費用が不要。 |
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カスタマイズの自由度が高い。 | |
拡張機能(プラグイン)が豊富なので、プラグイン追加に対応可。 | |
世界中にユーザーが多く存在し、コミュニティが形成されており、ネット上の情報が多い。 | |
バージョンアップが早い。 | |
デメリット | 自分ですべてをやらないとならない |
パッケージ型CMS(商用CMS)
パッケージ型CMS(商用CMS)は、ベンダーが開発したライセンスを購入し、自社サーバーにインストールするやり方。
CMSのいろんな機能がパッケージ化されており、ベンダーが導入・運用のサポートをしてくれる。
例:Movable Type、NOREN、HeartCoreなど
メリット | ベンダーによる手取り足取りのサービスがあって安心。 |
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デメリット | 初期費用であるライセンス料が高い。 |
規模に相対して費用が高くなる。 |
クラウド型CMS
クラウド型CMSは、ベンダーが管理するサーバーにシステムやデータを保管し、インターネット経由で利用する。
インターネット環境とブラウザさえ用意できれば利用できる。
例:Shopify、Wix、Jimdoなど
メリット | 初期費用、ランニングコストが安い。 |
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デメリット | カスタマイズが出来ない、デザインに自由度が低い。 |
WordPressの強さを考える
これだけの特徴を持った種々のCMSがあるのにその60%以上ものシェアをWordPressはなぜ維持でき、さらに増やしていくことが出来るのでしょうか。
個人のブログから企業サイトまで多くのユーザーを掴んで離さない理由は、まずは『オープンソース型CMS』であることでしょう。
このことはユーザーにとって大きなメリットです。
そして、HTML、CSSなどへの精通やFTDなどのサーバーの知識が無くともサイトを立ち上げることが出来て、修正、追加などをタイムリーに出来る大きな魅力的なメリットがあります。
さらに大きなメリットは顧客獲得に必須のSEO対策に必要な環境を整えやすい条件を十分兼ね備えていているからです。
Googleが公開する検索結果に表示される指針(読み替えるとSEO対策の指針)にも沿った設計となっているからです。
WordPressの利用に当たり、
- SEOプラグイン
- SEOに最適化されたテーマ
上記を選択することによって誰でもSEOに最適化された個人のブログから企業サイトまで作ることが出来るのです。
そして、数多くある『WordPress関連のサイトが説明する最適化できる6つの施策』は以下の通りです。
- クローラーが巡回しやすい構造となっている
- 表示速度が早い
- スマホに最適化されている
- 画像の最適化ができる
- パーマリンクを自由に設定できる
- SNS連携している
この6つは少しでもSEO対策の知識を持つ人間であれば誰でも納得できる施策です。
これらがWordPressの大きな魅力なのです。
まとめ
現在、世にある情報の大半はインターネットを介するものである。
BtoC、BtoBを問わずに企業ホームページ上の情報発信の質と量が新規顧客開拓や売上を増大させるカギとなります。
私たちの一番の目的であるデジタル化していく社会の中で生き抜くことは、最上、最高である知識、技術を享受してECサイトを通して最高の利益を上げていくことに他ならないと思います。
そのためにも、今、世界で動きつつある現状をよく把握し、世界におけるCMSのシェアを見渡し、CMSの世界を知ることは不可欠なこととなるに違いありません。