【ECの顧客理解】営業マンが考える、顧客を知り受注拡大・増益を目指す方法
2023年02月13日『デジタル』という合言葉に向けて世界は動き出し、自宅に居ながらにしてモノを買うことの出来る世の中となりました。
ECの利用者は増加の一途をたどり、このスピードには新型コロナウイルスが拍車をかけ、今後はデジタル化の浸透によってEC利用者は更に増えていくことが予想されます。
EC事業を行うにあたり、ひたすら世の流れについて行くことも必要なことでしょうが、ビジネスの世界で生きる私たちは人が行うことのない努力をせずして人を追い越すことは出来ないことを忘れてはならないでしょう。
そして、皆が同じビジネスの舞台で知恵を絞り、努力をして競い合う中で勝ち残るには商売の基本に一度立ち戻る必要があるかも知れません。
その基本の一つが『顧客理解』です。
※令和4年版高齢社会白書による(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s3s.pdf
上記、内閣府発表の『令和4年版高齢社会白書』を見ると、令和3年度の調査で65歳以上の高齢者の実に23.7%以上が『インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする』と、報告されています。
かつてはEC事業の顧客対象とはなりにくかった高齢者も、通信機器の発達と、それを使わなければ生きにくい環境が整備されつつある世の中に備え、その利用者数を増大させているのです。 今後、高齢者のEC利用はますます増えていくことでしょう。
このことも顧客理解の一部であり、一例です。
この新しい顧客の増大という事実を知ることも顧客理解の一つとなり、高齢者の新規顧客たちが何を求めているのかを知ることが顧客理解へとつながっていきます。
効率よく販路を拡大し、売り上げを向上させて利益を増大させるためにはこの『顧客理解』は欠くことの出来ない重要な課題になります。
『顧客理解』とは
読んでその文字の通り、私たちの顧客を理解するということです。ECに限らず、マーケティングの第一歩は『顧客理解』から始まります。
では、その顧客を理解するとはどういうことでしょうか。それは、『本当にお客様が欲する情報』を知るということに他ならないでしょう。
そのためには顧客の個々の情報を知ることは必須となります。まずは購買履歴などがあれば、ある程度は既存の顧客の理解は可能でしょう。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 職業
- 購入していただいた商品
などは比較的、つかみやすい情報でしょう。しかし、これらだけでは顧客がこの先どのような商品を求めるのかの予測はしにくいでしょう。
さらに、
- 趣味、嗜好
- 家族構成
- 出身学校、出身地
- 日常的な行動(仕事、趣味など)
一度お付き合いをして購買に至った経緯を知ることが出来れば、入手した情報データと併せて、お客様個人に合わせた今後の販売促進の準備に利用することも可能になるでしょう。
さらに踏み込み、顧客が求めること、顧客が知りたいことは何であるのか考えてみたいと思います。星の数ほどあるECサイトにやって来る顧客の心をつかむにはプラスアルファとして何が必要であるかをです。
ECにおいての顧客のスタートは欲しいものがあって検索にかかることでしょう。対面営業、お店に行くのとは違っていつでも好きな時に好きなサイトを渡り歩くことが出来ます。そこで、顧客の気持ちを惹くものは何でしょうか。
価格、ブランド、サイズ、素材以外で、ECサイトの中では実際にお店に行って、その気になる商品のことをお店の担当者から聞くようなプラスアルファの情報は存在しません。ここでレビューが活きてきます。
そしてこのレビューは実際のお店に行っても得ることの出来ない情報です。
ECならではの情報です。このような方法は大いに活用するべきだと思います。
ここでこれを書いているライター(私)の経験を参考にしていただきたく思います。
対面営業経験者の感じること
この文章を書かせていただいているライターは営業マンとしてゼネコン、設計事務所と30年以上建設業界で営業に携わってきました。建設業の特色は受注生産です。そして二つとして同じ売り物はありません。その単価も大きいです。
顧客理解はもちろん、その受注のためです。大きな組織ですので顧客管理課という部署がありました。
そこが中心となって担当営業マンが集めてきた情報をデータベースとして管理していました。発注先が企業であるならば、過去の工事受注実績、会社の規模、財務内容調査、組織図、代表者及びキーマン、その家族の誕生日、自宅住所、家族構成、飲酒・喫煙歴、ゴルフのスコア、趣味などかなり細かいデータです。
これらのデータは季節の贈答、誕生日、結婚記念日等の贈答などに使われ、受注を確実にするためにタイミングよく、効果的に利用されています。まずは顧客の気を惹くためにありとあらゆる考えられる方策を立てていました。
しかし、考え方を変えると、これらのことは間接的な理解であり、本当の顧客理解の目的は社外秘である設備投資の情報をつかむことです。
そこにたどり着くための顧客データであり、顧客理解なのです。
ストレートには話してもらえないことをいかにして他社に先んじて教えてもらうかは営業深度において他はありません。そのための顧客理解でした。
EC事業にも通じることではないでしょうか。
『販売活動(営業)を行わなくとも売れる』を目標に掲げることがEC事業では可能だと思います。そのための『顧客理解』でありその中で集まる情報はデータベースとしてこのECの世界、ソーシャルメディアの世界に訪れる顧客とつながる手法に利用されるべきだと思います。
この先に顧客の求めるもの
今後予想されることはEC事業がますます大きくなることです。そのパイが大きくなり、利用者の構成も広がることでしょう。
先に述べた高齢者ばかりか、EC事業における取り扱いアイテムが増えることによって専業主婦層や未成年どころか幼年層の利用者にまで広がることが予想されます。
物品の売り買いですので法律の制限は当然出てくるでしょうが、小学生のユーチューバーが現に活躍し、文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を配信するウェブサイトであるnoteにまで小学生のクリエイターが複数出てきています。
顧客理解はますます複雑になっていくことでしょう。その複雑さを乗り越えるためには『専業の力を利用する』ことが一番の近道でしょう。
この先ますます高度化、複雑化していくこのEC業界とこの世の中、マーケティングには十分な経験をお持ちでもこのEC事業に関しては不慣れで、その不慣れの解消のためのさまざまなツールやアイテムをご存じの無い方もいらっしゃることと思います。
『顧客理解』に近づくために『専業の力を利用する』ことが間違いの起こることが少ない一番の良策と思われます。
私たちアイベックはプラグイン販売の会社です。このプラグインも顧客理解に近づくための一つの方策と言えます。顧客のストレスを減らすことは顧客に近づくことになるでしょう。
他にも顧客理解に近づくためのソリューションとしてCDP(カスタマーデータプラットフォーム)もあります。さまざまな入り口から入ってくる顧客のデータを集積させる意義は大きいでしょう。手にしたデータを活かすことは顧客理解への第一歩かも知れません。
他にもある多くの手法を使うべきです。
このEC業界はとてつもなく大きな市場であることは間違いありません。しかし、顧客は一つのEC事業者としか取引はしないのです。そして一たび行われた取引には継続の可能性が生まれます。
まずは第一歩を踏み出すために専門家の力を借りることを考えてみませんか。当然費用の発生はありますが、費用対効果を時間とともに考えるべきです。
顧客は『簡単』を求めています。『ストレスフリー』を求めています。そのための第一歩が『顧客理解』であることを今、真剣に考えてみませんか。